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カテゴリ:知る・学ぶ
  • 「東浦自然環境学習の森」オープン記念 里山づくり講座受講生募集!
    [ 2011-09-08 17:20 ]
  • 研修会 (勉強会)
    [ 2011-05-23 07:45 ]
  • アキアカネとウスバキトンボ
    [ 2010-09-23 08:33 ]
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  • トンボの楽園づくり   つづき
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  • 里山って何だろう  やまねは考えました。
    [ 2009-05-02 14:53 ]
「東浦自然環境学習の森」オープン記念 里山づくり講座受講生募集!
「東浦自然環境学習の森」のオープンを記念して、
講座を開催します。

”自然とは?里山とは?”を学び、里山保全活動への第一歩を踏み出しましょう。

東浦町の大切な自然を守るため、里山保全活動に参加してみませんか。

詳しくは役場のホームページへ→ 講座受講生募集!

とき、ところ
第1回 9月10日(土曜日) 午後1時~4時 緒川公民館
第2回 10月1日(土曜日) 午後1時~4時 緒川公民館
第3回 11月19日(土曜日) 午後1時~4時 緒川公民館
第4回 12月4日(日曜日) 午後1時~4時 現地「東浦自然環境学習の森」

講師 名古屋大学環境研究科グローバルCOE
研究員 富田 啓介(とみた けいすけ)氏
富田先生のホームページ → 里山の地生態学
受講料 無料

定員 50名(先着順)

申し込み 8月2日(火曜日)午前8時30分から申込用紙に必要事項を記入し公園緑地課、または各公民館へ(藤江は南部ふれあいセンター)
(電話申し込み不可、ファックス可(84-6422))
※申込用紙は公園緑地課、各公民館で配布、またはこちらよりダウンロードしてください。
里山づくり講座受講申込書(PDF191KB)

あいち電子申請・届出システムからも申込できます。
役場のホームページから申し込みができます。→役場HP
問い合わせ 公園緑地課 内線263
by higashiura-satoy | 2011-09-08 17:20 | 知る・学ぶ | Trackback | Comments(0)
研修会 (勉強会)
          2011年5月22日(日)9:30~16:45 曇りときどき雨

                       先進地に学ぼうと、雨模様の中、『西尾いきものふれあいの里』へ、みなさんと勉強に行って来ました。
                     参加メンバーは、東浦自然環境学習の森の保全育成の会、役場の担当課、他ごろちんの森関係者の25名です。
                     『西尾いきものふれあいの里』からは、職員で指導員の山口さん、友の会の会長:神本さんに、お忙しい中を対応いただきました。
                     改めてお礼申し上げます。


                     ずぶ濡れになりそうな雨も降ったのですが、心がけの良い方が多いようで、東浦のみなさんが外へ出ると雨が止み、室内に入ると
                     ザーザー降るという不思議な天候でした。 お天道様にも感謝感謝です。
                     もしかしたら、竹内課長さんは晴れ男かも。きっとそのようです。

                     ↑ ネイチャーセンターです。 手前は生きもののために創られた水辺のビオトープ(野生の生きものの生息空間)です。
                     ↑ 多目的室で、『西尾いきものふれあいの里』の概要について山口指導員の説明を受ける参加者のみなさんです。
                     平成11年(1999年)5月オープンとのことでした。

               (参考)
                     西尾市の場合、「いきものふれあいの里」と言う名前になっているのは、環境省の所管する自然公園等整備事業の一環として
                    1988年から始められた、「ふるさと自然ネットワーク」事業メニューの「ふるさといきものふれあいの里」、「ふるさと自然のみち」、
                    「ふるさと自然塾」、「ふれあいやすらぎ温泉地」の一つとして整備されたため、勝手に名前は変えられなかったようです。
                     ↑ 菖蒲園です。いわゆる里山とは異質ですが、一般市民が楽しめる場所、体験できる場所として造られ、利用されているようです。
                    そのため、園芸種なども取り入れ、野生の生きもののことを考えた里山ゾーンとは区別化されているとのことでした。
                     菖蒲園の維持作業については、企業、市教育委員会、ボランティア体験推進委員会、市職員、地元東部中学校などが年間計画
                    に基づき、月1回位のペースで、職員の指示に基づき、草刈り、繁茂した水草の間引きなどをしていただいているとのことでした。
                     ↑ 菖蒲園について説明する専従職員の山口指導員です。(学芸員ではなく県の自然観察指導員の資格)
                    ネイチャーセンターには、山口指導員の他、2名の嘱託、センター長がいます。(センター長は今年度より設定とのことでした。)
                     ↑ センターゾーンの里山エリア入口にあった配置図です。国際ソロプチミスト西尾(女性の奉仕団体)さんからの寄付でした。 
                     ↑ 山口指導員から、ため池堤体下で里山エリアの説明を受けるみなさんです。
                     ↑ 『西尾いきものふれあいの里』の整備より、ずっ~と前の江戸時代築堤の小草池(こくさいけ)です。
                    向って正面奥が東側で、岸辺にはハンノキらしい木々がありました。足元は湿地状になっていると思われます。
                     ↑ 堤体の反対側の岸辺は緩やかな駆け上がりになっている上、草木もあり、生きものたちにとっては好ましい状態でした。
                     ↑ 『西尾いきものふれあいの里』の特異性に、田んぼや、ミカン畑、人工林などの民有地が隣接し、一部観察路が農道と共用
                    されていることがあげられます。
                    利用者の中にはミカンを失敬するなど、ご迷惑を掛けてしまう人もいるため、施設関係者としては地主さんたちとの人間関係作り
                    に心配りをしているとのことでした。  
                     ↑ 基本スタンスは、生きものを捕ったり、草花を採ったりは出来ないようです。
                    私が講師を務めた開園間もない頃は、子どもたちには生きものを捕まえさせ、確認したうえで、放すものと、持ち帰って飼育するもの
                    とに分けさせていただきましたが、今日の山口さんの回答では一切ダメとのことで、方針替えがあったようです。

             ★★★    個人的には、数の心配のないものについては、子どもたちの場合、見るだけではなく、実際に捕まえたり、摘んだりして、五感で
                    感じてほしいと願っています。
                    見るだけでは、子どもたちの科学をする眼が育たないですし、何よりも、興味もわかず、楽しくないと思います。
                    結果、子どもたちの関心は、自然から離れ、ゲームやペットへ向くように思います。
                     私たち世代の子どもの頃は、夏休みの定番として男の子は昆虫採集、女の子は草花の標本づくりや、押し花作りがありました。
                    あれがダメ、これもダメと言うスタンスよりも、自然を悪化させたり、傍観していた私たち大人が、反省の上に立って、自然の再生に
                    汗を流し、各学区内に身近な生きものたちが安心して世代交代できる環境をつくり、子どもたちには自由に捕れる環境に戻してから
                    天国へ旅立つべきと考えます。
                    自分たちだけが、たくさんの楽しい思いをして、生きものや、子どもたちの未来は知らないと言うスタンスは寂しく思います。

                     ↑ 林の中まで入り込み、繁茂した竹林です。この地は隣接する民有地で、地主さんが一人で伐採されているようです。
                    『西尾いきものふれあいの里』の中も、嘱託の2名と、緊急雇用の4~5人で、竹の伐採や草刈りをしているとのことでした。
                     ↑ 観察路途中にあったトンボの生態に関する看板です。 (ミヤマアカネの記述は違っていますが…)
                    園内を歩いていて感じたのですが、各地の同様施設でよく見られる樹木名札がありませんでした。
                    どうしてですか?との質問に、二つの理由をあげてられました。
                     ①名札を付けると管理樹木になり、公園化になる。また、自然の状態でおけなくて、管理樹木として手を入れなくてはならない。
                     ②名前を覚えることよりも、里山の仕組みや、機能、食物連鎖などを知ることが大切と考えるため。
                    との回答でした。②については、私も大賛成です。
                     ↑ トンボのために創られた水辺です。 上流からの土砂の流入や、ガマの進入で困ってられるようでした。
                     ↑ 山裾を流れる小川です。 生きものや草花に配慮した、経験則から来る草刈りが行われていました。
                    ミヤマアカネやオニヤンマのことを考えれば、両岸とも適期に草刈りをされたほうが良いように感じました。
                    勿論、残したい植物があれば、それらとのバランスも必要になります。
                     ↑ 新装なった炭焼き窯を見学するみなさんです。寄付や、一部ボランティアの労力で創られたとのことでした。
                    『西尾いきものふれあいの里』の場合、炭焼きグループと言うようなものはないため、年に数回の炭焼きだそうです。
                     ↑ ネイチャーセンター内の展示コーナーです。図書のコーナーもありました。
                    ここまで立派なものでなくて良いですが、雨宿りをしたり、講座を開いたり、トイレや寛げる空間が、東浦のごろちんの森にもあったら
                    と、うらやましく思う私たちでした。
                     ↑ 抱接したヒキガエルのミイラです。
                    どうしてミイラになったんだろうか?産卵を間近にして、突然の寒波で閉じ込められたのだろうか?
                    ミイラになるような状況におかれても放さなかったカエルたちの想いに、人間としての行き方を教えられたような私たちでした。 



           私たちからの質問と山口指導員(一部、神本さん)の回答

                       ①学芸員は何人配置してられますか?
                          いません。 経験に裏打ちされていることが大切に思っています。
                         (ご自身は県の自然観察指導員の資格ですが、開園当時から見てられます。)

                       ②学芸員の権限と身分についてお聞かせください。
                          学芸員はいないが、私、山口は、市の職員。下に嘱託の人などがいるが、自分の判断でやっている。
                          ただし、今年度からセンター長が加わったので、今後については、変わって行くと思っています。

                       ③西尾いきものふれあいの里の位置づけは何でしょうか?
                          田んぼなどの生産活動もしながら、生きものの多様性を保って行き、合わせて市民が自然とのふれあいを楽しめる場
                          でありたいと考えています。(環境部環境保全課の管轄)

                       ④里山が隣接しますが、みなさん方にとって、ここの里山はどんな空間と考えてられますか?
                          果樹園やヒノキ林などの民有地に囲まれた谷間にあるのが西尾いきものふれあいの里なので、それらの民有地間と
                          を、生きものが行き来できる里山にと考えています。

                       ⑤また、将来的には、どのような里山を目指してられますか?
                          今の状態を維持したいと願っています。

                       ⑥里山の保全は、どのような人たちがしていますか?
                          4人の職員(センター長、山口さん、嘱託2名)と、緊急雇用の4~5名と、
                          特定のボランティア(西尾いきものふれあいの里友の会)

                       ⑦里山の保全に係わる人たちの報酬は何でしょうか?
                          職員と緊急雇用は有給、ボランティアは無償ですが、やりがいは感じていただいているようです。

                       ⑧西尾いきものふれあいの里は、いろんな団体が係わっているかと思いますが、どのような団体がどのくらいありますか?
                          里山エリアとしては1団体(西尾いきものふれあいの里友の会)のみ。
                          他に、菖蒲園の保全作業に8団体ほど。

                       ⑨それらの団体は、自由に登録出来るのですか?
                          団体の登録制度のようなものはなく、申入れがあったら割り振ってやっていただいています。
                          個人については申入れがあった場合受付はするが、相手の人となりやスキルも分からないので、お願いしたことはなく、
                          神本さんの呼びかけで、守る会を主体にやっていただいています。

                       ⑩それらの団体の自主性は、どのように担保されているのですか?
                          こちらの指示で働いてもらっています。

                       ⑪それらの団体間で、考え方が異なる場合があると思いますが、それらの問題解決はどのようにしてやられていますか?
                          自主的には動いてもらってないので、問題はないと思います。

                       ⑫保全のための団体、個人に対し、スキルアップのための講座があれば、どのようなものが、どのくらいの時間を掛けている
                          か教えてください。
                          自前の講座はないが、県の自然観察指導員養成講座などを勧めています。

                       ⑫資格制度のようなものがありますか?
                          ありません。

                       ⑬里山林の保全についての考え方を教えてください。
                          生きものが棲めるように心がけています。

                       ⑭里山内で、一定の条件を充たせば、昆虫や小魚を捕っても良いとしていますか?(例えば子どもが普通種を捕るなど)
                          採ること、捕ること共に、禁止にしています。

                       ⑮持ち込み、持ち出しについての考え方と、ルールがあれば、その中身について、教えてください。
                          県の環境部の指導に基づき実施。

                       ⑯田畑などの民地との関係は、どのようにしていますか?
                          仲良くやっています。

                       ⑰里山の保全要員は足りていますか?
                          職員と、緊急雇用要員がいるので、回っています。                          

                       ⑱不足している場合、どのようにして人手を集めていますか?
                          現状は足りています。

                       ⑲西尾いきものふれあいの里友の会は、どんな会則で、何名ぐらいの人員ですか?
                          難しい決まりごとはありません。(神本さん)
                          人員は20~30名ぐらいで、仕事の中身により、声を掛けてスキルのある人に集まっていただいています。

                       ⑳年間行事の立て方
                          ボランティアの人たちが、得意な分野を発揮できるよう、山口指導員が計画し、実行していただいています。

                      21:田んぼアートの作付けがないようですが?
                          ライオンズの方々の骨折りで実施していましたが、本来の里山の利用者と、見に来られる方々の層が異なるなど、
                          いろいろあるため取りやめました。
                      22:何か私たちにアドバイスがあればお聞きしたいですが?
                        似たような施設は各地にあるが、地域にあったやり方を工夫して進められたら良いと思います。
                        また、ボランティアの人たちには、楽しんでやってもらうのが秘訣でしょうか。


                          お忙しい中、お二人には、長い時間お付き合いいただき、ありがとうございました。
                          お二人とも、お酒がお好きとのことですので、今日の場では話せなかった苦労話や、秘訣などを、機会を改めて、
                          お聞きすることが出来れば幸いです。
                          東浦にも、ぜひ、遊びにお越しください。






             やまねが感じたこと

                       ①12年の重み…試行錯誤しながら苦労を重ねた運営だったように思いますが、それなりのものにされたことに敬意を
                         感じました。
                       ②『西尾いきものふれあいの里』友の会会長:神山さんと言う人と、その人脈を得たことが、大きかったように感じました。
                       ③決め事など、明文化、見える化があまりされてないのは以外でした。
                       ④後継者の育成や、ベクトル合わせのためにも明文化が今後の課題でしょうか。
                       ⑤やる気のある市民の吸い上げも必要に思いました。(申入れの受付はしても、呼び出さずとのことでしたので。)
                       ⑥年間2200万円の運営費は、うらやましく思いました。
                        いずれにせよ、多くを学んで帰ることが出来ましたので、良い面は、ごろちんの森へ反映して行きたいと思いました。



                                                                                        やまね記





            
by higashiura-satoy | 2011-05-23 07:45 | 知る・学ぶ | Trackback | Comments(0)
アキアカネとウスバキトンボ
        9月24日
             昨夜、「ごろちんの森」(正式:「東浦自然環境学習の森」)の関係者の打合せがあったときの雑談の中で、
             「東浦には赤とんぼ(アキアカネ)はいますか?」との問いに、「たくさん飛んでいますよ。」との返事がありました。
             アキアカネは、ここ数年、全国的に減っていることと、私の住む地域でも、ここ数年稀にしか見れず、
             今年はまだ1頭も確認出来ていませんでしたから、いろいろお聞きすると、
             どうも赤とんぼ(アカネ属)の代表のアキアカネではなく、ウスバキトンボ属のウスバキトンボのようでしたので、
             多くのみなさんの参考に、両者の見分け方について書いて見ました。


              東浦で整備中の里山の愛称「ごろちんの森」は、水辺グループの人たちが使い出している愛称です。
               個人的には、「トトロの森」のようで可愛いい感じなのと、地域に根ざしたネーミングなので気に入っています。
               東浦では、セミの幼虫のことを「ごろち」などと呼んでいる地域があり、それらを反映し、より親しみがわくようにと
               「ごろちんの森」としています。  (名付け親:玉ちゃん)
               他には、「於大の里山」、「緒川の森」、「おおたかの森」などの名前も挙がっていますが、
               来春ごろには町の人たちによる人気投票で決める方向のようです。
                  


          アキアカネとウスバキトンボの見分け方
             ほとんどの方は、初夏から秋にかけて、原っぱや田んぼの上を飛び回るウスバキトンボを赤とんぼ(アキアカネ)と
             勘違いされているようですので、以下の見分け方を参考にして、近くの田んぼなどで確認し、
             身近な地域の自然環境の変化に関心を持ち、自分たちでも出来ることを実行に移していただければ幸いです。 
 
             なお、日本に20種ほどいる他のアカネ属の赤とんぼや、他のトンボについて更に詳しく知りたい方は、
             「神戸のトンボ」をお薦めします。青木典司先生のサイトで、とても信頼できます。


          アキアカネ (トンボ科アカネ属)
             赤とんぼ(アカネ属)の見分け方のポイントは、姿形の3ヶ所の特徴 (胸の模様、赤くなる部分、翅の特徴)や、
             生息場所、動き、止まり方、産卵の仕方などを観察することで種を判断します。

             6月の頃、田んぼで羽化したアキアカネは、暑さを避けるためか、夏の間は標高の高いところで過ごし、
             秋になると産卵のため麓へ降りて、田んぼの上を飛んだり、はざ干しの竿や、杭の先、電線などに止まっていたりする
             情景を、かつては全国各地で見ることが出来ました。


          〔見分け方の特徴〕  …写真の上で左クリックすると写真が拡大します。


             ① 胸の模様
                    ↑ アキアカネには、♂♀とも、写真のように胸に黒くて太い模様があります。 (写真はアキアカネの未成熟♀です。) 
                      なお、ナツアカネ(下記)にも似たような黒い模様がありますが、アキアカネの場合、真ん中の上の部分は、先がとがっています。

                    ↑ 胸の模様の似たナツアカネです。 真ん中の黒い模様の上の部分が平らです。 (写真はナツアカネの成熟♀です。)


             ② 翅の特徴
                    ↑ 翅は透明で、下記写真のノシメトンボやミヤマアカネのような模様はありません。(写真はアキアカネの成熟♂です。)
                    ↑ ノシメトンボ成熟間近い♀です。 翅の両端に黒褐色の班があります。
                      なお、このような模様のあるアカネ属には、ノシメトンボ、コノシメトンボ、リスアカネ、一部のマユタテアカネがいます。
                    ↑ ミヤマアカネの成熟♂です。 翅の端部近くに褐色の班があります。

             ③ 色合い
                    ↑ アキアカネの未成熟♀です。 全体に淡い色合いです。
                    ↑ アキアカネの未成熟♂です。 ♀同様、繁殖可能な時期になるまでは、全体に淡い色合いをしています。
                     ↑ アキアカネの成熟♀です。 成熟と共に、腹部の上面側が赤くなります。
                    ↑ こちらはアキアカネの成熟♂です。 成熟と共に、腹部の全体が赤くなります。(尾に見える部分は腹部になります。)
                     よく似たナツアカネの写真を載せます。アキアカネと、どこが大きく違うでしょうか?
                    ↑ こちらがナツアカネの成熟♂です。 アキアカネが腹部のみ赤くなるのに対して、頭、胸、腹部と、全身が真っ赤になります。

              ④ 止まり方
                     ↑ 体を水平に保つようにして止まります。

              ⑤ 産卵の仕方
                     ↑ 「連結打泥産卵」と言って、田んぼのように、水深のあまりない、じゅくじゅくした泥の中に、
                     ♂♀が連結状態で、腹部先端を、ちょんちょんとたたくようにして産卵します。
                     流れや、水深のあるところでは産卵しません。 (乾田化される前の稲刈りの済んだ田んぼが、最も適した産卵場所でした。)


               ウスバキトンボ (トンボ科ウスバキトンボ属)
                     初夏から秋にかけて、広々した田んぼや、原っぱの上などを、群れになって舞うアキアカネくらいの淡い橙色のトンボです。
                     ほとんどの人は、赤とんぼ(アキアカネ)と思っていますが、アカネ属ではなく、ウスバキトンボ属のトンボです。
                     お盆の頃、たくさん目にすることから、地方によっては「盆トンボ」や、「精霊トンボ」などとも呼ばれています。
                     甲子園で高校野球が行われているとき、テレビ画面に群れになって舞うトンボが写ることがありますが、あれがウスバキトンボです。
                     南方から海を渡って、世代交代しながら日本を北上して来る南方系のトンボです。
                     温暖化の影響なのか、現れる時期が年々早くなっています。
                     同じくらいのアキアカネと比べ、翅が薄くて大きくて、体のつくりが華奢になっていて、強く持つとつぶれます。
                     ただ、このことが、長い飛翔を続けられる鍵のようです。

             〔見分け方の特徴〕   …写真の上で左クリックすると写真が拡大します。

              ① 胸の模様と色合い
                     ↑ 成熟しても赤くならず、やや橙色が濃くなる程度です。
                     胸の模様は、アキアカネのような黒くて太いはっきりした模様がありません。


             ② 群れによる飛翔
                   ↑ 気流を捉え、長い時間、群れで舞っていることが多いです。ときに大群を作ります。  (写真は、刈谷市半城土で、嵯峨さん撮影)

             ③ 止まり方       
                    ↑ 薄く大きめの翅の特徴を生かし、いつ見ても飛び続けていることが多く、止まっている姿は稀にしか見れません。 
                     止まるときは、横姿勢ではなく、ぶら下がるように縦姿勢で止まります。



             〔補足〕
                   トンボは、ちょっと見ただけで種を確定できることは少ないですから、普段から、種の特徴をしっかり観察することが大切です。
                   判らないトンボに出会ったときは、全体だけでなく、胸や腹部なども、アップで撮っておくと、同定(種の確定)に役立ちます。
                   それと、もうひとつ大切なことは、他の生きものでも言えることですが、どんな環境で、何をしていたか、何を食べていたかなどを
                   しっかり観察することです。
                   人間を含め、どんな生きものにも共通で大切なことがあります。
                   それは、「食う・寝る(休む)・(子孫を)残す」です。
                   生きものが生きていくためには、それらのための環境が存在することが大切なのです。
                   ある種のトンボは、植物の組織内に産卵しますから、水草などが消えれば、それらのトンボも姿を消します。
                   鳥でも哺乳類でも、昆虫でも、魚でも、「食う・寝る(休む)・(子孫を)残す」を理解することで、彼らに出会うことができるのです。
                   そしてまた、生きものたちの未来のために、私たち人間は、謙虚であらねばならないのです。
                   なぜなら、ほとんどの自然環境悪化に人間が関係しているからです。


                                                                                        (やまね)




 
by higashiura-satoy | 2010-09-23 08:33 | 知る・学ぶ | Trackback | Comments(0)
COP10とは?
 最近、COP10という言葉を見聞きするようになりましたが、COP10とは何でしょうか? ちょっとおさらいしたいと思います。

■言葉の意味
 COP(Conference of the Parties)とは、国際条約の締約国が集まって開催する会議のことで、
 生物多様性条約のCOP10とは、「生物多様性条約第10回締約国会議」の略称で、今年の10月に名古屋市で開かれます。

■生物多様性条約の目指すもの
 次の3つが上げられています。

   ①生物の多様性の保全
   ②生物多様性の構成要素の持続可能な利用
   ③遺伝資源の利用から生ずる利益の公正で衡平な配分

  今年、2010年は、国連の定めた「国際生物多様性年」であり、
  2002年のCOP6(オランダ・ハーグ)で採択された「締約国は現在の生物多様性の損失速度を
  2010年までに顕著に減少させる」という「2010年目標」の目標年にもあたります。
  会期中は、約190ヶ国から、約7,000人が名古屋に集い、地球環境の将来についての議論が行われる予定です。

   ・開催期間:2010年10月11日(月)~29日(金)の約3週間
   ・主催者:生物多様性条約事務局(カナダ・モントリオール)と開催国政府
   ・参加者:約7,000名(COP9会議登録者 約5,000名:国連関係者・各国政府関係者・NGOなど)

■名古屋市で開かれる会議のポイント
  生物の持つ経済的価値を確保するため、多様性の保全、持続的利用、利益の分配について話し合います。
  ただ、 COP10は南北問題でもあると言われるように、資源国である途上国と、利用国である先進国間での
  利益の分配をめぐる考え方には隔たりがあり、まとまる可能性は低い状況です。

■COP10の問題点
  現状のCOP10で議論されている生物多様性は、残念ですが人間中心の論理に終わっていることが一番の問題と言えます。
  それと、「愛・地球博」(愛知万博)のときもそうでしたが、国をはじめ多額の税金が使われているにも関わらず、
  経済優先の一過性のイベント化していることや、それらの資金を当てにして、たくさんの人や団体が群がっていると言ったら言い過ぎでしょうか。

  また、名古屋では、「里山」と言う生物多様性にとって好ましい生態系を世界へアピールしようとしていますが、
  「里山」が生態系や景観として良かったのは40~50年ほど前までであり、現状の荒廃を改善出来ていない現実があります。
  「やったやった。」「俺たちもやっている。」との自己満足に終わらせては、開催国として情けないし、税金の無駄遣いと言えます。

■私たちは生物多様性をどうとらえるべきか?
  人間も自然界の生物のひとつであるとの意識を持つことがもっとも基本であると思います。
  そして、あらゆる行為において、すべての生物のことも考えることのように思います。

■東浦の里山に置き換えたら…
  とりあえず、現在整備中の「東浦自然環境学習の森」(仮愛称:ごろちんの森)を、関係者が力を合わせ、再生させる仕組みをつくり、
  共に汗を流し、50年後には、生物の多様性に富んだ、景観的にも素晴らしい里山にすることのように思います。
  50年前、愛知県ではCOP10が開かれたが、その頃、東浦では、消え行く里山を何とか素晴らしい状態で後世に再生させようと
  取組んでいた人たちがいたようだとのことで良いように思います。

                   ↑ 「金蔵連」にて
                   ↑ 「坂折の棚田」
                   ↑ ミヤマアカネ成熟♂(トンボ科アカネ属)

                                                                                       (文責:やまね)
by higashiura-satoy | 2010-09-22 10:31 | 知る・学ぶ | Trackback | Comments(0)
トンボの楽園づくり   つづき
           ・新たに水辺を創る場合
                その(1) 適地の選定
                                                ↑ 絶滅が危惧されるマダラナニワトンボ(愛知県の某池で)
               ①年間を通して水が確保出来ること。
                 トンボは水生生物ですから、特定の例外種を除き、産卵から幼虫であるヤゴとしての期間は水があることが生息
                 のための絶対条件となります。
                 成虫であるトンボの発生時期は種によって異なり、(注)知多半島辺りですと、3月半ば~12月半ばの間に姿が
                 見られます。 自然界におけるトンボの寿命は3ヶ月ほどですので、月が替わればトンボ相も異なって来ます。
                 つまり、出来るだけ多様な種のトンボに生息してほしい場合は、卵の期間も含め、年間を通じて水が確保出来る
                 ところが適地となります。
                 なお、水ですが、湧水や、きれいな川の水が確保出来れば好ましいですが、農業用水などが年間を通じて確保
                 出来るのであれば、それでも良いでしょう。
                 注意したいのは、井戸水です。見た目にはきれいであっても水質に問題がある場合があります。
                 すでにある井戸であれば確認出来るので問題ないのですが、井戸を掘ってから有害物質が含まれていてトンボ
                 などには不適となっては出費がかさむだけでなく、計画が頓挫しますので、無理のない適地の選定に心掛けて
                 ください。
          
            (注) 日本には成虫で年を越すオツネントンボ、ホソミオツネントンボ、ホソミイトトンボの3種がいて、どれもが知多半島
                に生息しています。

               ②山間の耕作放棄田んぼは最適地。
                コメ余り現象の中で、過疎化や高齢化などで、山間には耕作を止め、放置された田んぼが各地に増えています。
                これらは、長い年月に渡ってコメ作りをして来たところだけに、年間を通じて水が確保しやすく、雑木林や草地など
                田んぼの周りの自然環境も多様な上、小川や渓流の存在など、トンボなどの楽園にするには最適と言える条件が
                整っています。
                かつての田んぼは、トンボが群れ飛ぶ空間でもありました。
                これらを放置したままにしておけば、10年も経たずして、土砂に埋もれ、草や木が繁茂して、水辺環境は消滅し、
                トンボなど、なつかしい生きものが消えて行きます。
                山間の、かつての棚田を水辺として活用し 『トンボの楽園』 とすることは、トンボなどのなつかしい生きもののため
                にも、防災上の観点からも、食料の自給率向上の上からも、いいことづくめとなります。
                おコメを作ることが出来なくても、棚田のように維持管理しておけば、いつでもコメ作りの再開につながります。
               ③出来ればイノシシがいない地域。
                日本各地でイノシシが増えていると聞きますので、そんな地域はないのかも知れません。
                イノシシは数頭で来て、ブルドーザーのように土を掘り起こして餌をあさるため、一晩で畦を壊したりしますから、
                出来ればイノシシのいない地域がベターです。
                ちなみに私たちが維持管理しているかつての田んぼには、どこもイノシシが出没し、次々と仕事をつくってくれます。
                    ↑ かつての棚田を整備する人たち。 このような空間を私たちは 『カエルの分校』 と呼んでいます。

              その(2)放置田をトンボの楽園にする
               ①水の流れを確認する。
                最初にやることは、水の流れを確認することです。
                小川などが草やヤブで隠れてしまっていることが多いですから、それらを取り除いて確認します。
                なお、年月が経っている場合は、流れが変わっていたり、畦の一部が消えたりしていますので、出来るだけ、かつて
                コメ作りをしていた頃の様子を現地で把握します。
                次に、大雨の時や、夏場の渇水期にも、水の流れや量を確認しておきます。
               ②地主さんを探す。
                たいていの場合、地主さんは、下流域に住んでいます。
                今では考えられないくらい離れている場合もあります。
                目的を告げ、どのように維持していくかをお話しすれば、ほとんどの場合、快諾してくれます。
                小屋を建てたりするときには、文書で、許可をいただいておくのが良いでしょう。
                将来、地主さんの子どもさんなどがコメ作りを再開されるときは、速やかに明け渡すのが条件です。
                コメ作りであれば、トンボなどのなつかしい生きものは絶えませんので、当初の目的は継続出来るのです。
                コメ作りを一緒に手伝わさせていただくのも、互いにメリットがあります。
                私たちの場合も、そのような所があります。
                お礼は、お歳暮に、お菓子などを持って行き、生きものたちの戻っている様子などをお伝えしています。
                    ↑ 足助の奥の過疎化の進んだ地域の田んぼです。高齢のご夫妻が細々とコメ作りを続けています。
                    いろんな生きものがいます。みんなで手伝いに行っています。
                ③水辺予定地内の草木を取り除く。
                 年月が経っている場合、木が生えたりしていますので、残す木以外は取り除きます。草も可能な限り取り除きます。
                 これらの作業は、ハチやヘビの姿が見えなくなった11月以降の寒い季節が適しています。
                  ↑ 耕作を止めて40年ほど経っていた『百畝』です。 初めて現地を確認に行ったときは、木が何本も生え、谷間
                 は藪と土砂に埋もれ、かつての棚田の面影はありませんでしたが、かろうじて水が流れていて、整備をするに従い
                 棚田の形が見えてきました。
                 冬にはルリビタキをはじめ、たくさんの野鳥が訪ねてくれ、春から秋にかけてはカエルやトンボの楽園になりました。
               ④かつての棚田を再現する。
                 水辺は、全国的に減っていますので、可能な限り、かつての棚田を再現します。
                 また、水辺の面積と、そこに生息出来る生きものの数には対応がありますので、生きものたちのためにも、水辺は
                 出来るだけ広く確保します。
                 整備のための道具は、ノコギリ、ナタ、鎌、備中、鍬、二人突き、カケヤ、スコップと、すべて手作業でしたが、
                 3年目に大蔵大臣の計らいで刈り払い機を入手出来ました。
                 道具小屋や休憩のための小屋は、平地を使わず斜面を利用しても、それなりの味わいのあるものになります。
                   ↑ 二代目のゲストハウス兼道具小屋です。 泊まったこともあります。星がきれいでした。                 
               ⑤水深と畦の関係
                 水深が浅ければ、植物が繁茂しやすくなりますが、シオヤトンボやハラビロトンボなどは浅瀬を好みます。 
                 水深をヒザよりも深くすると植物は繁茂しにくくなり、明るい開放水面が好きなギンヤンマなどが産卵に来ますので、
                 例えば、かつての田んぼ一枚毎に、水深に変化をつけると良いでしょう。
                 なお、水深を深くした場合は、畦(堤)の幅を広くして、水圧に耐えられる強度を確保します。
                 広い面積が確保出切るところであれば、一つの水辺内で変化をもたせるのが良い結果を招きます。
                  水辺の掘り下げに最も活躍したのは備中で、次にスコップです。
                 畦は、断面を台形にして、可能な限り幅を取り、土を突き固めて、強度を確保します。
                 畦の整備には、備中や鍬、スコップ以外にも、二人突きなども活躍しました。
                 なお、掘り下げや畦の骨格を造る間は、水を入れないようにするの良いと思います。
                 水を張ったら、畦塗りをして、仕上げます。
                 
                   ↑ やや深い水辺作り。 (2008.12.26 カエル谷)
               ⑥導水の仕方
                 導水の基本的考え方は、メインとなる小川は素掘りとし、各水辺(かつての田んぼ)へは、小川から個々に導水し、
                 併せて、上の段から下の段へと、各水辺間をつなぐ2系統方式にするのが、万一の漏水や、生きもののためにも
                 良い結果が得られています。
                 なお、取水口は大雨などで埋まったりしやすいので、地形、水の量などを考えて構築します。
                 生きもののことを考え、こまめにメンテナンスをすることで、コンクリート化などは、控えています。
                   ↑ カエル谷に三ヶ所ある取水口の一つです。 
                 増水時は、奥の洗い堰から余分な水が下流へ流れます。
                 取水口の入口は、写真のように塩ビのパイプで、下流を向けてあり、余分な土砂などが入らないようにしてあります。
                 梅雨時から秋口にかけては、一週間に一度ぐらい、小川に溜った砂を浚渫しています。
               ⑦作業量(人工)
                 最低でも、週一日は維持管理のため現地入りが必要で、一地域あたり2人はほしいです。
                 長く続けてこそ効果が出ることですので、無理なく、楽しく、相談しあってやっています。
                 判断に迷うときは、自分たちのためでなく、生きもののためには、どちらが良いか、どうすべきかで判断しています。

               ⑧トンボ池づくりの適期
                 休耕田などでのトンボ池づくりの適期は、11月~1月一杯がベターで、遅くともトンボが飛び出す前の3月まで終えたいものです。
                 第一の理由は、田んぼでのコメ作りが終わっていますから上流域でトンボ池づくりをしても、そのことで水が濁ったり、
                 流れが変わったりで、下流域の田んぼへの影響が少ないことと、
                 第二の理由は、生きものへの影響を低く抑えられることです。
                 例えば愛知県の場合、ニホンアカガエルや、ヤマアカガエルは1月末頃から産卵を始めますので、それまでに水辺を
                 整備しておくことが、彼らにとってもいいのです。
                 トンボたちも、ほとんどの種は、産卵を終えています。
                 第三の理由は、作業する人間のためです。
                 11月頃になると、マムシやハチの動きが緩慢になり、地域によっては、姿を見るのも稀になります。 
                 それと、トンボ池づくりは肉体作業ですから、暑い時期にやると、バテやすく、体への負荷が過酷になります。 
                 その点、冬場であれば、汗の始末などに気をつけさえすれば、カゼも引かずに楽しく出来ます。水をガブ飲みすることもありません。
                 なお、冬、積雪がある地方や、春先まで土が凍みて硬くなる地方の場合は、暑い時期を避けた雪が来る前にやるのが良いでしょう。                 




                       つづく
by higashiura-satoy | 2009-08-28 17:54 | 知る・学ぶ | Trackback | Comments(0)
トンボの楽園づくり   つづき
           トンボの楽園づくりの実際

                これまでの説明で、日本人とトンボの関り合いや、トンボの産卵パターンなどをご理解いただけたと思いますので、
                次に、トンボの生息空間の維持管理と、生息空間を新たに創る場合の実際について説明します。

          ・すでにある水辺の管理
              その① 止水の場合 (ため池・沼地・湿地)
               ①水辺だけでなく、周囲の山(雑木林)や草原も保全する
                 その規模が少なくなれば、餌が不足してトンボの数は減ってしまいます。
                 また、山(雑木林)や草原は、トンボたちの休息の空間であり、餌場としても大切です。
                 それと、周囲の山は、水源の役割も果たしていますので、水辺と共に保全することが重要です。
               ②水辺の植物を適正に保つ。                
                 環境美化や、魚釣りの邪魔だからと、見る影もなく草を取り除いたりすると、一部のトンボの産卵場所を奪うこと
                 になりますので、水面や岸辺の水草などを、適正に保つことが大切です。 
                 なお、この場合の適正とは、草が水面を覆い隠すほど繁茂させず、トンボが上空から水辺であることを確認出来、
                 草の間を飛び回れるくらいに維持管理することです。
               ③水質を悪化させない。 
                 昔の人たちは、ため池を、毎年干上がらせ、ため池の損傷具合を確認したり、増えた魚を間引き、溜ったヘドロを
                 かき出して肥料にしたり、天火干しにして水質維持を図って来ましたが、近年は、ため池のお守をする人が少なく
                 なりましたので、水質が悪化し、低酸素傾向にあり、ヤゴの生育に支障を来たしています。
                 コイや大型のフナの糞は、それらの釣り人の餌と共に、水質を悪化させ、透明度も損ないます。
                 年中泥ごと吸い込み餌をあさりますから、コイのいる池や濠などの止水で、透明なところはありません。 
                 「コイがいる美しい水辺」は、幻想に過ぎません。観光地などで、きれいな水を見ていただこうとするならば、コイは
                 放流しないことです。
                 彼らの糞は、水中の リンや窒素を増やし、植物プランクトンの増加を促進しますので、夏場の水温上昇でアオコ
                 などが発生しやすくなり、ヤゴにとっても脅威となります。
                 他にも、汚水の流入や、ゴミの放置などにも気を配る必要があります。
               ④ 出来るだけ自然の護岸を保つ。 
                 老朽化したため池などを放置すれば、決壊による災害が発生しますので、改造となるのですが、その際、強度が
                 必要な堤体部を除き、コンクリート護岸にせず、自然の地形を生かした水際(エコトーン)、出来れば、ゆるやかな
                 傾斜の水際にすることが、トンボをはじめ、いろんな生物にとっても良い環境となり、子どもたちが自分で這い上が
                 ることが出来ますので、水の事故を防ぐ上からも有効です。
                 なお、改造前にあった在来種の水草などは、一時的に避難させ、改造後、元へ戻すのが良い結果をもたらします。                 
               ⑤ 勝手に持ち込まない。 
                 ブラックバスやブルーギルだけが生態系を撹乱させる生物ではありません。
                 各地で良かれと思って放流されているコイは、トンボの卵やヤゴにとって、彼ら以上に脅威です。
                 コイは雑食で大食漢ですので、その採餌の習性から、トンボの卵やヤゴを泥と一緒に吸い込み、食べつくしてしま
                 います。
                 トンボについては、日本蜻蛉学会会員の高崎保郎氏の、同じ大きさの貯水槽による実験結果によれば、コイを入
                 れた場合と入れなかった場合とでは、コイを入れた貯水槽ではヤゴの数が数年でゼロになってしまったとの報告
                 があります。
                 大きなコイが増えた池や沼では、数年もするとトンボに限らず、小さな生物が消えてしまいます。
                 『世界の侵略的外来種ワースト100』になっているコイについて、日本人の意識改革が待たれます。
                 他にも、アメリカザリガニや、ウシガエルなど、トンボに悪影響を及ぼす生物がいますので、増えないようにする
                 必要があります。
                 植物の場合も、園芸種や外来種を持ち込むことは裂けたいものです。
                 異常繁茂などにより生態系が撹乱され、ある種のトンボの産卵床となっていた植物が消えたり、水質悪化をもた
                 らしています。
               ⑥ すみ分ける。 
                 「人と自然の共生」と言う言葉は、きれいな響きを持っています。
                 しかし、現実は、人間側のバラツキが大きく、多くの場合は、人間の影響(干渉)により、自然が悪化します。
                 魚釣りは、楽しい趣味です。
                 自然観察も、楽しい趣味と言えます。
                 しかし、トンボの楽園を目指すのであれば、魚釣りについては、他の池を指定して、その影響をなくし、自然観察
                 については、数年毎に開放エリアを変えるなどの工夫をすることで、一定の生息数が確保できます。
                 ただ、湿地の場合は、元々脆弱な環境にありますので、湿地そのものの保護の観点からも、立入り禁止エリア
                 を設け、徹底する必要があります。
               ⑦ 絶やしたい植物 
                 引っ付き虫と呼ばれるアレチヌスビトハギなどの種子は、粘着力があるため、トンボにとって脅威です。
                  衣服に付いて持ち込まれたり、ため池の改修工事のときに、土に混じって入り込んだりしますので、互いに注意
                 すると共に、見つけ次第、根絶やしにしたいものです。
                 その場合のポイントは、刈り取った種子の付いた植物は燃やしてしまうことと、翌年以降は、花の咲き始めの頃に
                 刈り取ることです。
                 これらを4年ほど続け、持ち込まないようにすると、絶やすことが出来ます。
                 
             その② 流水の場合 (小川、河川)
              ① 河畔林や渓畔林、草地、砂地も保全する。 
                止水の場合で述べたように、河畔林や渓畔林と、草地や砂地は、トンボにとっては産卵や、採餌、休息のための
                大切な空間ですから、洪水の妨げにならない範囲で、出来るだけ自然に近い状態で残しておくことが大切です。
                もう少し別の表現で言えば、水を流すだけの用水にしないと言うことであり、
                どんな川も、人間だけのものではないと認識し、改修や環境美化作業などで、出来るだけの配慮をすることです。
              ② 水質を悪化させない。 
                川に生息するトンボは、止水に生息するトンボ(ヤゴ)よりも、水質の悪化に影響される傾向にあります。
              ③ 出来るだけ自然の流れと護岸を保つ。 
                流れをよくするために河川を直線化したり、川幅を変えたりすると、川を生息地としているサナエトンボやカワトンボ
                の仲間(ヤゴ)は一定の範囲に留まることが出来なくなりますので、所々にゆるやかな流れや、浅瀬、砂地、草原
                などを造ってやるか、そのような空間を残すことが大切です。
              ④ 小川は見えるように。 
                昔のお百姓さんは、田んぼの近くの小川は、常に見える状態にしておき、水の確保に支障がないか確認していま
                 したが、平地の田んぼでは、圃場整備により小川が消え、パイプラインと、排水路に変わり、山間の田んぼでは、
                小川は残っているものの、高齢化などによる耕作放棄で、草やヤブで覆い隠されています。     
                トンボは、水面がキラキラ光ることで、水辺と判断し降りて来ますので、流れが見えるように草を刈っておくことが
                大切です。
              ⑤ コイなどの放流は控える。 
                止水同様、生態系のバランスを崩す元となる、コイなどの放流や、持込をしない。           
by higashiura-satoy | 2009-08-28 15:54 | 知る・学ぶ | Trackback | Comments(0)
オニヤンマの産卵の様子です。
遅くなりました。やっと、7月19日に水辺の草刈りをしたときに見つけたオニヤンマの産卵の様子を動画でアップしました。
近くのエイデンで画像変換ソフトを入手できたのです。(この手のソフトって結構高いんですね。困っていたら、売場で販促用の
15日間お試しソフトを見つけてしまいました。もちろんタダです。)
さあさあ、ご覧あれ。 (下記動画をクリックしてください。)
























 オニヤンマの産卵の様子(動画①)


 オニヤンマの産卵の様子(動画②)



〔補足〕
 上記動画から、一秒間に約2回、単独打水(砂の中)産卵する様子が解ります。
オニヤンマは、池などで産卵するギンヤンマなどとは異なり、写真のような、かつて田んぼの周りに普通にあった、
①流れがゆるやかで、②水深が浅い、③底が砂地になった素掘りの小川で産卵します。
 この日は、草刈りの日でしたので、それまで草で隠れていた小川が、草が刈られたことで、上空からキラキラと
小川の存在が確認出来るようになったので、草を刈っている目の前に飛んで来て、産卵を始めたのでした。
 産卵シーンはめったに観れませんから、草刈りを中断して、みんなで観察しました。
 一度産卵を始めたオニヤンマは、小さなトンボと違い、人間が少々近づいたくらいでは逃げたりしません。



by higashiura-satoy | 2009-08-11 23:05 | 知る・学ぶ | Trackback | Comments(0)
トンボの楽園づくり
■やまね版・トンボの楽園づくり

           はじめに
              ・ビオトープ
                   ビオトープという言葉を聞くようになって20年近くになります。
                  自然に優しいことはいいことだと、行政も含めて、ビオトープが地域や学校などに造られました。
                    一般の方々に、ビオトープのイメージをお聞きすると、「人工的に造った水辺」「生きものの楽園」、「いやしの
                  空間」
「学びの場」などとの受け止めが返って来ます。
                   これらは、間違いではありませんが、ビオトープ本来の意味は、「Bio(命・生物)とTopos(場所)」のギリシア語
                  からの合成語ですから、新たに造った水辺だけがビオトープではなく「野生生物の生息空間」の全てが含まれます。
                   ビオトープという言葉は、従来の河川改修のやり方が、生物にとってはインパクトを与えていたとの反省に立って、
                  旧建設省により、平成元年からの「多自然型川づくり」の中で使われはじめました。
                  では、なぜ、ビオトープという造語を使うようになったかと言いますと、カタカナ言葉とすることで先進的なイメージを
                  アピールするためでした。
                   そして、これらの国の動きをビジネスチャンスと捉えた人々によって、瞬く間に日本中にビオトープブームが起き
                  たのです。

              ・問題点                   
                   しかし、各地に誕生したビオトープを、3年ほど経って確認すると、大半が同じような問題を抱えていました。
                   最も大きな問題は、その後の維持管理が出来ず、荒れ果てていたことです。
                   はじめから維持管理の組織も、費用も確保されてなかったり、熱が冷めて、面倒をみる人がいなくなってしまったり、
                  どう維持管理すれば良いか判らなかったのです。
                  多大な費用と労力を掛けて造った上に、生きものたちにダメージを与えていますので、はじめから、何もしないほうが
                  良かったとも言えるでしょう。
                   もうひとつの問題は、自分たちの好みを優先させたり、業者が扱いやすいからと、その地には元々なかったものや、
                  外来種、園芸種などが持ち込まれ、地域に元からいた生物に悪影響を与え、生態系が撹乱
するなど、本来の自然を
                  破壊してしまう現象が数多く見られることです。
                  これでは、子どもたちにとっては、何が本当の自然なのか判らなくなります。
                  ビオトープは、見本園や、擬似自然の箱庭ではないことを理解する必要があります。

                   行政が造る場合の最も多い失敗のケースは、業者への丸投げです。
                  請け負ったコンサルタント会社や施工業者には、一応それらしきビオトープ管理士なるもっともらしい資格を持った人
                  が存在しますが、専門家とは名ばかりの場合が多く、にわか勉強で資格を取った人が大半ですから、ビオトープに
                  持ち込む生物には、眼を疑いたくなるようなことがたびたびです。
                  一言で言えば、地域の自然も、生態系も理解してない人たちが造っている場合が多いのです。



              ・生きものにとって大切なこと
                   どんな生きものにも共通する大切なことが三つあります。
                  それは、「食べること」「眠ること(休むこと)」、そして、最も大切なのが「子孫を残すこと」です。
                  つまり、「食う・寝る・残す(つくる)」です。
                  これらは、人間にとっても大切なことなのです。
                  これらの要素が一つでも欠けるところには、生きものたちは安心して暮らせないのです。
                  つまり、多様な生きものが自分たちの力で世代交代をしている空間は、これらの条件を満たした空間なのです。



              ・日本の象徴・トンボ
                   これは、飛鳥時代に舒明天皇が詠まれたとされる御歌で、田んぼや水沼が美しく広がり、民の暮らしも豊かな
                 大和の国を称えたものとされています。
                 当時の日本は、秋津(蜻蛉)とも言われ、3000年ほど前の縄文時代後期から続いて来たコメづくりの文化があり、
                 たくさんのトンボが群れ飛ぶ美しい国であったことが眼に浮かびます。
                  そんな昔から、脈々と営まれた田んぼでのコメづくりですが、人々は、意識して生きものを育てて来たわけでは
                 ありません。
                 田んぼによるコメづくりの結果として、いろんな生きものが世代交代を繰り返して来れたのです。
                  長い年月、人々の生活と自然は、うまいことバランスが取れて来たのですが、ここ50年ほどの間に大きく変化
                 してしまい、唱歌「赤とんぼ」に歌われたアキアカネなども、田んぼの周りから、姿を見るのが困難になっています。
                  それでは、何が、どのように変わったのでしょうか?
                 圃場整備による乾田化、生産調整によるコメ以外作物への転作、農地の転用、農薬、高齢化・過疎化による耕作
                 放棄など、人間生活の変化が影響し、なつかしい生きものたちを犠牲にしてしまったようです。


                    〔参考〕    舒明天皇(第34代天皇、飛鳥時代の593年生、在位:629年~641年)
                            当時は、トンボのことを秋津、蜻蛉と言った。 今から、1365年ほど前に読んだとされる。
                            秋津は、大和の枕言葉。



           トンボのこと

             ・トンボの産卵パターン
        その①植物組織内産卵
                              ↑  キイトトンボの連結植物組織内産卵 
                              ↑  連結して集団で水辺へ来て植物組織内に産卵するアオイトトンボ              
                              ↑  ギンヤンマの単独植物組織内産卵
                              ↑  夕方や早朝の薄暗いときに単独植物組織内産卵するマルタンヤンマです。
                  なお、マルタンヤンマの♂は日本のヤンマの中で最も美しいと言われていますが、明るい時間帯に見かけること
                 が少なく、中々写真が撮れません。
                    
                   植物組織内産卵は、イトトンボの大半と、ギンヤンマなどにみられる産卵です。
                  これらのトンボを定着させたい場合は、水面や水際に、いろんな種類の水草があることがポイントになります。
                   なお、水面に浮いた枯れた草であっても産卵しますので、それらの草を孵化するまで、全て取り去らないで、
                  一部を残すこともポイントになります。
                       ↑  オオアオイトトンボは樹皮の組織内に産卵しますので、水際に樹木があることがポイントです。


              その②打水産卵   
                               ↑  ♂に見守られながらのネキトンボの単独打水産卵
          
                   シオカラトンボやショウジョウトンボなど、多くのトンボの産卵パターンです。
                  ♀は、連結や単独で、腹部先端を水面に叩くようにして産卵します。
                  池や沼、田んぼなど、変化に富んだ開放水面がたくさんあるほど多くのトンボが訪れます。
                   水辺が減っている現状は、学校のプールなども、何種類かのトンボにとっては貴重な産卵場所になっています。
                       ↑  連結して、田んぼの水溜りの泥に腹部先端を、ちょんちょんと打泥産卵するアキアカネです。
                              ↑  ちいさな流れで単独打水(砂の中)産卵するオニヤンマです。
                   オニヤンマの場合、このような素掘りの小さな流れがあることがポイントです。

              その③空中産卵
                    稲刈り前の田んぼでなどで、ナツアカネなどに見られる産卵です。
                   連結したりして飛びながら、卵をばら撒きます。

                 以上が、主な産卵パターンです。
                トンボによっては、水深が浅い所を好むものや、深いところを好むもの、ヨシなどの水草が茂った中を好むもの、
                開放的なところを好むもの、日向を好むもの、日影を好むもの、止水を好むもの、流れを好むものなど多様ですので、
                トンボをよく観察し、それらの習性に合った出来るだけ多様な環境を保つことが多様なトンボの生息につながります。
                なお、ほとんどのトンボは縄張りを持ちますので、水辺は広いほど良く、数も多いほど良い結果が得られます。
                勿論、餌場となる草原や雑木林などが周囲にあることもトンボにとって棲みやすい条件となります。

               〔参考〕 
                 生きた化石と言われるムカシヤンマの場合は、谷間の崖などで、水がしたたり落ち、コケが一面茂っているような
                所に産卵し、ヤゴも水に入ることはほとんどなく、湿ったコケの中にトンネルを掘って、3年ほど暮らした後、トンボに
                なります。
 


           トンボの楽園づくりの実際

                これまでの説明で、日本人とトンボの関り合いや、トンボの産卵パターンなどをご理解いただけたと思いますので、
               次に、トンボの生息空間の維持管理と、生息空間を新たに創る場合の実際について説明します。

           ・すでにある水辺の管理
                その① ため池・沼地・湿地 (止水の場合)
               ①水辺だけでなく、周囲の山(雑木林)や草原も保全する。
                 その規模が少なくなれば、餌が不足してトンボの数は減ってしまいます。
                 また、山(雑木林)や草原は、トンボたちの休息の空間としても大切です。
                 それと、周囲の山は、水源の役割も果たしていますので、水辺と共に保全することが重要です。
               ②水辺の植物を適正に保つ。                 
                 環境美化や、魚釣りの邪魔だからと、見る影もなく草を取り除いたりすると、一部のトンボの産卵場所を奪うこと
                 になりますので、水面や岸辺の水草などを、適正に保つことが大切です。 
                 なお、この場合の適正とは、草が水面を覆い隠すほど繁茂させず、トンボが上空から水辺であることを確認出来、
                 草の間を飛び回れるくらいに維持管理することです。
               ③水質を悪化させない。
                 昔の人たちは、ため池を、毎年干上がらせ、ため池の損傷具合を確認したり、増えた魚を間引き、溜ったヘドロを
                 かき出して肥料にしたり、天火干しにして水質維持を図って来ましたが、近年は、ため池のお守をする人が少なく
                 なりましたので、水質が悪化し、低酸素傾向にあり、ヤゴの生育に支障を来たしています。
                 コイや大型のフナの糞は、それらの釣り人の餌と共に、水質を悪化させ、透明度も損ないます。
                 年中泥ごと吸い込み餌をあさりますから、コイのいる池や濠などの止水で、透明なところはありません。 
                 「コイがいる美しい水辺」は、幻想に過ぎません。観光地などで、きれいな水を見ていただこうとするならば、コイは
                 放流しないことです。
                 彼らの糞は、水中の リンや窒素を増やし、植物プランクトンの増加を促進しますので、夏場の水温上昇でアオコ
                 などが発生しやすくなり、ヤゴにとっても脅威となります。
                 他にも、汚水の流入や、ゴミの放置などにも気を配る必要があります。
               ④出来るだけ自然の護岸を保つ。
                 老朽化したため池などを放置すれば、決壊による災害が発生しますので、改造となるのですが、その際、強度が
                 必要な堤体部を除き、コンクリート護岸にせず、自然の地形を生かした水際(エコトーン)、出来れば、ゆるやかな
                 傾斜の水際にすることが、トンボをはじめ、いろんな生物にとっても良い環境となり、子どもたちが自分で這い上が
                 ることが出来ますので、水の事故を防ぐ上からも有効です。
                 なお、改造前にあった在来種の水草などは、一時的に避難させ、改造後、元へ戻すのが良い結果をもたらします。                 
               ⑤勝手に持ち込まない。
                 ブラックバスやブルーギルだけが生態系を撹乱させる生物ではありません。
                 各地で良かれと思って放流されているコイは、トンボの卵やヤゴにとって、彼ら以上に脅威です。
                 コイは雑食で大食漢ですので、その採餌の習性から、トンボの卵やヤゴを泥と一緒に吸い込み、食べつくしてしま
                 います。
                 トンボについては、日本蜻蛉学会会員の高崎保郎氏の、同じ大きさの貯水槽による実験結果によれば、コイを入
                 れた場合と入れなかった場合とでは、コイを入れた貯水槽ではヤゴの数が数年でゼロになってしまったとの報告
                 があります。
                 大きなコイが増えた池や沼では、数年もするとトンボに限らず、小さな生物が消えてしまいます。
                 『世界の侵略的外来種ワースト100』になっているコイについて、日本人の意識改革が待たれます。
                 他にも、アメリカザリガニや、ウシガエルなど、トンボに悪影響を及ぼす生物がいますので、増えないようにする
                 必要があります。
                 植物の場合も、園芸種や外来種を持ち込むことは裂けたいものです。
                 異常繁茂などにより生態系が撹乱され、ある種のトンボの産卵床となっていた植物が消えたり、水質悪化をもた
                 らしています。
               ⑥すみ分ける。
                 「人と自然の共生」と言う言葉は、きれいな響きを持っています。
                 しかし、現実は、人間側のバラツキが大きく、多くの場合は、人間の影響(干渉)により、自然が悪化します。
                 魚釣りは、楽しい趣味です。
                 自然観察も、楽しい趣味と言えます。
                 しかし、トンボの楽園を目指すのであれば、魚釣りについては、他の池を指定して、その影響をなくし、自然観察
                 については、数年毎に開放エリアを変えるなどの工夫をすることで、一定の生息数が確保できます。
                 ただ、湿地の場合は、元々脆弱な環境にありますので、湿地そのものの保護の観点からも、立入り禁止エリア
                 を設け、徹底する必要があります。
               ⑦絶やしたい植物
                 引っ付き虫と呼ばれるアレチヌスビトハギなどの種子は、粘着力があるため、トンボにとって脅威です。
                  衣服に付いて持ち込まれたり、ため池の改修工事のときに、土に混じって入り込んだりしますので、互いに注意
                 すると共に、見つけ次第、根絶やしにしたいものです。
                 その場合のポイントは、刈り取った種子の付いた植物は燃やしてしまうことと、翌年以降は、花の咲き始めの頃に
                 刈り取ることです。
                 これらを4年ほど続け、持ち込まないようにすると、絶やすことが出来ます。



                  つづく
                  

                 
by higashiura-satoy | 2009-07-31 12:28 | 知る・学ぶ | Trackback | Comments(1)
里山って何だろう  やまねは考えました。
里山って何だろう  
 「里山」のイメージは、人によっていろいろあるようです。
それは、子ども時代、どんな所で育ったかで決まってくるように思います。

 しいて定義らしいことを言うと、
「人間の生活のために、長い間に渡って利用して来た結果得られた野山 」 と言うことが出来そうです。

 しかし、日本は昭和30年代に入り工業立国へ舵を切ったこともあり、
 「里山」を引継ぐべき人たちが都市部へ流出し、
核家族化や、生活様式の変化、高齢化などの中で、
かつては、多様な生物がいて、景観的にも素晴らしく、私たちには豊かな恵みをもたらして来た「里山」が、
利用されなくなったことで、様変わりしました。

 東浦町は、位置的には、日本のほぼ中央部と言えると思います。
気候的にも温暖ですから、北海道や九州にはない、自然があります。
 長い年月に渡って育まれて来た「東浦の里山」を、荒廃から守り、
かつての素晴らしかった「東浦の里山」を再生させ、活用しながら、
次の時代に伝えて行くとの役割が、(仮称)『自然環境学習の森』にはあると思うのです。  (やまね)

 

 ご参考
      リバーカフェさんの 「里山」 の記述です。
by higashiura-satoy | 2009-05-02 14:53 | 知る・学ぶ | Trackback | Comments(0)