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掻い掘り(かいぼり)報告

                   平成21年8月29日(土) 当日は、8時頃から段取りに入り、掻い掘りは、午前10時から始まりました。
                  参加者は、一般から14家族34人(大人14人、子供20人)、炭焼き会、役場の方々、水辺グループとその家族でした。

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                        ↑  掻い掘り開始前、注意事項などをお話ししました。
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                        ↑  奥では、ヘドロの深さをチェックしています。 
                   沈まないように、足場板を敷きながらの作業でしたが、この後、バランスを崩し、全身ドロだらけになりました。
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                                  みなさん、足場板から踏み外さないよう、そおっと池に入っています。
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                                  数日前から役場の方々が、水抜きをしてくださいました。
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                                  ↑  大き目のフナを捕まえて、子どもたちはご機嫌です。              
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                           ↑  ヘドロが深いため、足場板以外は近づけないので、順番を待って捕りました。
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                                ↑  ヘドロに足を捕られてしまい、ミジンコさんが助けに行きました。
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                                ↑  コイをゲットし、にんまりです。 今晩のおかずになるのでしょうか。
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                                    ↑  大人も子どもも、みなさん、真剣でした。  
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                            ↑  11:20から、堤体下の広場で、捕まえた生物などをみんなで確認しました。
                         コイ、マブナ、ゲンゴロウブナ、アメリカザリガニなどが捕れました。
                         他に見かけた水生の生きものは、シオカラトンボ、コシアキトンボ、ショウジョウトンボ、
                         オニヤンマ、ギンヤンマ、ウスバキトンボ、イシガメ、マツモムシ、ミジンコなどでした。
                         池と、周囲の自然環境がよくなってくれば、たくさんの生きものが戻って来ると思います。
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                                ↑  長い竹を使って魚をぼい込もうとしていますが…。
                            

                                                        (写真は下玉利さんです。)

                     〔ご参考〕
                       池干しは、なぜするの?

                         地域によっては、掻い掘りとか、池ざらえ、ぽん突くなどと言われる池干しですが、
                        その歴史は古く、縄文時代の頃より、行なわれていたようです。
                        最初の頃の目的は、増えたり大きくなった魚介類を捕獲し、水の神へ献上し、人間も
                        食していたとのことです。 (収穫への感謝と祀り)
                         ため池は、田んぼなどの水の確保のために造られたものですので、たいていの場合、
                        田んぼのある地区よりも上手(上流域)にありました。
                        ため池の恩恵を受けている下流の人たちは、刈り入れが済むと池を干し、大きくなった
                        り増えた魚介類を捕り、支配層へ収めると共に、上流の村落の人たちへ、お礼として
                        差し上げ、あまったものを自分たちで分け合っていました。
                        このことは、平安や奈良時代などの複数の古文書に記碌として残っています。
                        それらによれば、上流域の人も一緒に魚などを捕ったとありますので、コミュニティの
                        役割も果たしていたようです。
                         なお、お礼としては、池で捕れた魚介類だけでなく、おコメなども献上したと記録に
                        あります。
                         二番目の目的は、池の漏水や、欠損箇所などの点検と補修です。
                         三番目は、底に溜ったヘドロを肥料として使うようになりました。
                        これは、江戸時代頃から盛んになったようで、売買されていたとの記録があります。
                         他には、近年になると、ヘドロを天日で晒す効果が判ってきて、水質維持のためや、
                        魚つかみなどのレクリェーション、ブラックバスなどの有害生物の駆除目的などのため
                        池干しが行なわれます。
                         かつては、どこの池も、1~2年に一度は池干しをしていたのですが、人手不足など
                        で放置され、どの池もヘドロが堆積し、水質悪化が進んでいます。
                         今回参加された方は気づかれたと思いますが、ヘドロが溜ると、ため池で足が取られ
                        ますので、浅いと思ってうっかり入ったりしますと、脱出が困難になり、大変危険です。
                         昔の人たちがして来たように、ため池も年に一度は池干しをし、適度な間引きと撹乱
                        をするほうが、限られた空間での生態系のバランスが取れ、結果として多様な生物が
                        生息出来、人間にも、自然にも、良い結果が得られることが明らかになっています。

                       有害生物とは?

                        最近、外来種駆除のため、池干しをしたとのニュースを目にすることが多くなりました。
                       ほとんどの方は、外来種=外国から持ち込まれた良くない生物と理解している場合が
                       多いのですが、良くない生物とは、外国から来たものだけとは限りません。
                        良くない生物とは、長い間に渡って生態系のバランスが取れていた空間の、バランス
                       を崩す生物
を言います。
                       別ないい方では、それまでの生きものを駆逐してしまう生物です。
                        ため池などの限られた空間では、数が増え過ぎても生態系のバランスは崩れ、種の
                       減少が起きます。
                        最近は、ため池の魚を食べなくなりました。結果、コイなども、その数を増やし、大きく
                       なりますので、大食漢で悪食のコイは、ブラックバスなどよりも、生きものだけに限らず、
                       他の水生生物にダメージを与えてしまいますので、間引きなどが必要になるのです。
                        日本人にとってコイは馴染みの深い魚で、歴史も文化もあるのですが、
                       「世界の有害生物ワースト100」のリスト生物であることも知っていることが大切です。
                       良かれと思って、植物や生きものを安易に持ち込まないことが求められています。

                                                                  (やまね記)


        
by higashiura-satoy | 2009-09-04 12:33 | 行事案内と報告
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